意外と奥深い「詰め物」の話~その歴史と種類について
コラム記事
こんにちはハートデンタルクリニック溝の口駅前歯科 矯正歯科です。
歯科学の歴史が非常に古いことは、もうよく知られています。昔から人々は歯痛を抑えようと努力してきましたし、欠けてしまったあるいは抜けてしまった歯をなんとかしてフォローしようとしてきました。そんななかで生まれたのが、「詰め物」の考え方です。
ここではなかなか奥深いこの「詰め物」を取り上げ、その意味や歴史、そして種類について解説していきます。
詰め物の歴史は非常に古い! ピラミッドからは「歯の詰め物」が出土しています
現在のように確立されたものでこそありませんが、人間は昔から「歯科学」をもって自分たちの口腔内の悩みに向き合ってきました。何千年も前の旧石器時代にはすでに、歯を人為的に抜いたり削ったりする風習が見られたといわれています。そして紀元前5000年ごろにはすでに、「歯の痛みの原因は、歯の虫にある」とわかっていました。
非常に興味深いのが、「歯の詰め物」に関する歴史です。歯科医院での治療のひとつである「歯に詰め物を入れる」というやり方は、実は古代エジプトの時代にはすでにみられていました。だれもが知る歴史的建造物であるピラミッドから発掘されたミイラには、黄金の歯の詰め物が見られたとされています。
もっとも、このような「金属を詰める」というやり方は、非常に原始的なものです。今ほど歯科学が発達していない時代においては、「金属で作った歯の詰め物を歯に入れて、セメントで固める」というやり方しかとることができませんでした。
しかし1950年ごろから、「コンポジットレジン樹脂」と呼ばれる、より人間の歯の色に近い素材を使うことができるようになりました。なおこの素材が使われるようになった契機は、ペンキ職人にあるのだそうです。彼らがペンキを塗るときに、リン酸で表面を処理していたのをみて、「これを歯の治療にも応用ができないか」と考えられるようになり、現在のような「自然な」色の詰め物が開発されるようになったとされています。
「欠けたり、抜けたりした部分があるのであれば、その部分を補う処理をしてやればいい」というのは、非常に原始的な考え方ではあります。ただこの考え方があったからこそ、こんにちの、より美しく、より丈夫な「歯の詰め物」ができたのだと考えられます。そして現在もまた、歯の詰め物の技術は日々に進化していっています。
現在の「歯の詰め物」の種類とは~その種類と特徴
日進月歩の歯科の歴史のなかでは、数多くの歯の詰め物が生み出されてきました。
ここからは、その歯の詰め物の種類について解説していきます。
歯の詰め物は、主に以下の5つに分けられます。
- 銀歯
- コンポジットレジン
- ゴールド
- 陶材
- ジルコニア
これ以外にも数多くの種類がありますが、ここでは代表的なこの5つを取り上げます。
銀歯
おそらく、もっとも知名度の高い「歯の詰め物」は、この「銀歯」でしょう。虫歯に悩まれた人の口の中には、おそらく1本はこれがあるのではないでしょうか。
銀歯はその色から「銀歯」といわれていますが、使われているのは「パラジウム合金」と呼ばれるものです。保険適用内で使うことができるため、非常に安価です。また、金属ゆえの硬さも持つため、奥歯などの代表される「力のかかりやすい場所」にも利用できます。
ごく一般的な治療方法であるため、どの歯科医院にいってもこの選択肢がみられると考えてよいでしょう。
このように非常に便利でなじみ深い銀歯という選択肢ですが、これは一目見て「治療した跡」が分かります。そのため、「歯の治療跡を目立たせたくない」「できるだけ自然な歯のように見せたい」と考えている人には、不向きです。また金属の腐食で2次う蝕になり、詰め物の下に虫歯が広がることがあり、長く使い続けることで歯茎が変色することもあります。なお、「金属アレルギーを持っている」という人の場合は、必ず施術前に申し出るようにしてください。
コンポジットレジン
上で、「1950年代ごろからコンポジットレジンが選択肢に入ってきた」としました。これによって、かつては「目立たざるを得なかった」歯の治療跡を目立ちにくくすることが可能になりました。
コンポジットレジンの素材は、プラスチックです。歯に似た白い色のプラスチックを使うため、治療跡が目立ちにくいですがコンポジットレジンは金属ほどの強さは持ち合わせません。強い力がかかると欠ける可能性がありますし、またプラスチックであるため変色・劣化しやすいというデメリットもあります。
ゴールド
「ピラミッドにあったミイラには、黄金の歯の詰め物があった」ということは、すでに上で述べた通りです。この方法は、「金合金を歯の詰め物に使う」というやり方で今も息づいています。
「人体に対して、もっとも健康被害を起こしにくいといわれている金属」を使っているため安全性が高く、アレルギーを引き起こす確率も低いとされています。また適合力が非常に高いです。このようなことから、機能性と安全性を重視する人には非常におすすめの選択肢だといえるでしょう。
ただ、金属であるため非常に目立ちます。奥歯ならばまだしも、前歯にこのゴールドの歯の詰め物を入れることは、かなり勇気がいる選択だといえるでしょう。また、銀歯は保険適用内ですが、ゴールドの場合は保険が適用されません。そのため、費用は高くつきます。
陶材
「セラミック」というとわかりやすいかもしれません。
「人間の歯にもっとも近しい色を作れる歯の詰め物」とされていて、健康な歯とほとんど見分けがつきません。また、コンポジットレジンにあった「変色や劣化」のリスクも抑えることができるため、2次う蝕や金属アレルギーの心配がありません。歯の治療だけでなく、「審美歯科技術」に興味がある人にはこの陶材の歯の詰め物が非常におすすめです。
ジルコニア
「人工ダイヤ」ともいわれるジルコニアも、歯の詰め物として利用されています。
金属を使わない歯の詰め物であるため、金属アレルギーの人でも安心して使えます。また、人工「ダイヤ」とあることからもわかるように非常に硬く、丈夫です。
汚れも付きにくく、2次う蝕の心配もありません。
「たかが歯の詰め物」と思う人もいるかもしれません。しかし歯の詰め物には長い歴史があり、そしてさまざまな種類があります。
ハートデンタルクリニック溝の口駅前歯科 矯正歯科では、「どのような歯の詰め物が自分にとってベストか」などの悩みにも、丁寧に寄り添っています。お気軽にご相談ください。
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